「…分かったわよ。」


マイクを奪い取ると、お気に入りのあの曲を入力した。


「やったぁ~♪黒崎さんの奥さんの歌が聞けるなんて。」


「何歌ってくれるの?意外に本人目の前にJYUNYAの曲とか?」


その目線。


その言葉。


あたしを完全にバカにしてるでしょ。



♪♪♪♪♪♪#♪♪♪#♪♪



曲が流れた瞬間、みんなの動きも言葉も完全に止まった。


案の定、目が丸くなって口が半開き。


その光景は、熱唱が終わるまで続いた。


「ふぅ~。」


っとため息を吐くと、一礼して七瀬の目の前にマイクを置いた。


「…何でア○パンマ○。」


ア然としながら七瀬がつぶやいた。


「アン○ンマ○バカにしないで。こんな名曲ないよ!!」


強く言い切った。


「子供の歌が?」


鼻で笑った。


「心が汚れてるから、この歌の詩の良さが判んないのよ。」


思いっきり睨(にら)み付けてやった。


「なんだと?」


眉間(みけん)にしわを寄せて、怒り出した。