「亀本って芸能記者です。」


「私、プロポーズすらされてないけど。今度はどこの女かしら?!」


あぁ…そっちに焦ってるのね。


「違うみたいです。亀本の話だと、莉南さんと結婚するって。しかも、今度のライブでそれを爆弾発言するとか。だから、てっきり婚約したかと。」


「まったく。龍のやることは大胆なんだから。公開プロポーズする気なんて。」


一瞬でごきげん。


ハートがこっちまで飛んできてる。


「本人に確認してないので、なんとも言えないんですけど…。ガセかもしれないですから…。」


やんわりとテンション下げてあげないと。


もしガセだったら可哀想だし。


「そうなの?じゃあ、確認取れたら、こっそり教えてね?」


「はい。」


電話を切った。


ライブって言っても、オーディションだし。


莉南さんも知らないんだから、あるわけないだろうな。


本当だったら仕事増えるな…。


ガセであることを願うよ。


そのまま、城金兄の事なんか忘れて、1人で映画なんか見ちゃってた。


その映画の本編前の予告編。


知らない間に泣いてた。