「なにそれ…。」


「散々酔わせて、ヤッて捨てちゃえばいいんだから。でも、伊吹だけは真剣に見てる自分がいるんだ。」


「ふ~ん。」


どんな事を言われても、嘘にしか聞こえない。


初めから七瀬の信用なんかないし。


「信じてないんだな。」


「当たり前でしょ?信じろって言う方がおかしいでしょ?」


「…そうだよな。でも、オレには繋ぎ止める方法なんてなかったんだよ。」


「さっきから、七瀬は何が言いたいの?信じるだとか、繋ぎ止めるとか。どういう経緯でそうなるわけ?」


ムッとしてる。


だって、話がよく分かんないし。


からかってるのに、何が真剣なんだか?


「っとに…。そこまで話さないと気づかないのかよ。」


初めて見せる、照れたような顔してる。


「全然!!わかんないもん。」


あたしは普通だけどね。


七瀬はフ~っと小さく深呼吸すると、なにやら覚悟決めたみたいだった。