ナエが慌てて振り向く。 「アンタ、ちょっとナニ絶叫してんのよっ」 周りの視線がちらほら感じる。 別にどうでもいい。 それより、ケータイ・・・ つうか、ポーチ・・・。 私はその場でスライムみたいになりそうだった。 「ケータイが・・・無い・・・」 私は半泣きでナエに訴えた。 「多分、さっきの満員電車で、落としちゃったのかも・・・」 ケータイ一つで、こんなにもショックでかいとは思わなかった。