昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜




…ニブい。



いくらなんでもニブすぎる。だって俺、言うたやん。

可愛いとか優子が好きなタイプやとかそれらしきこと。

いや、俺結構頑張ったと思わん?

その上最後にはほぼ九割告っとるがな。優子はロクに聞いてなかったかもしれへんけどさぁ。


思わずため息が出る。けどしゃーない。


俺のことだけやない、優子は自分の気持ちにも鈍感や。

まさるくんのことが好きって、俺のが先に気づいたでな?どんだけ前から好きやったん。俺と知り合う前から?わからん、だって二人は生まれた時から一緒なんやから。



…そういうの、勝てへんやん。



優子とまさるくんが一緒におった時間は気が遠くなるくらい長すぎて。

今から俺がどう足掻いたって二人が過ごしてった歴史には勝てへんし、どうしたって足りへんやんか。


昨日一晩、ぐるぐるそんなんばっかり考えとった。

考えて、考えすぎて。





今思い返しても人生で一番大胆な行動に出てしもたんは、続いた寝不足と。




…なんかもう、悩んどったんがブチってちぎれてしもたからやと思う。














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