昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜

畳の上に置いてあるちゃぶ台に顎をのせてそっぽを向いてしまう風間。

なんや最近、風間がスネるのよー見る気がするなぁ…。

しばらく無言やったけど、元通りの雰囲気に戻るのはあっという間やった。

テレビ見て二人で爆笑する。風間とは笑いのツボが合うから、一緒におってほんま楽や。


番組もそろそろ終わる。


「腹減ったなぁ…」

「…なぁ。」


畳の上に寝っ転がる風間。

マネしてウチもあお向けに転がって天井を見つめた。

これで、わざわざ京都旅行に来て旅館でひっくり返ってシーチキンおにぎりをひもじい思いで待ちわびる女の完成や。


かっちゃんら何しとんのやろ──


そう言おうとしたけどやめた。

だって。


「………」


かっちゃんが、ちょうど入り口に立ってたから。


「まさるくんお帰り!!」

「…かっちゃん!待ちくたびれたわ〜」


あれ。

…なんか空気が殺気立ってんのは気のせいやろか。


「遅かったなぁ…って、あれ?さくらちゃんは?」


二人仲むつまじく、ぴったりくっついて出て行ったはずの。


…ピンクほっぺのさくらちゃんの姿が、どこにもなかった。


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