かっちゃん。
かっちゃん、好きや。
すき。
あんな、
あんな、好きやねん。
めっちゃすきやねん、かっちゃん。
「…返事は?」
あんな、多分今からうんって言うけど、声震えとると思うけど、笑わんとってな。
「…う…ん」
「……ふはっ、なんで震えてんねん」
じゃあ言う。言わせてもらう。
アホで
考えなしで
学習能力なくて
浮気モンで
優柔不断で
やっぱアホで
一人やとなんも出来んで
料理とかカップラーメンしか作れへんくて
調子よくて
見境なくて
とにかくアホで
ホンマ、どうしようもないアホで。
好きでしゃーないんはウチの方。
悔しくても、忘れようとしても、何度でも戻ってまう。
もしあの時に戻れるボタンがあって、それを連打したとしても。
…やっぱりウチは、このアホを好きになるんやと思う。
なぁ、かっちゃん。
一緒にアパートに帰ろう。
203号室、303号室、どっちでもええわ。いや、かっちゃんちはでっかい鍋ないからやっぱウチの部屋かな。
晩御飯にしてはえらい遅い時間かもしらんけど、久しぶりに。
…かっちゃんの好きな、具がでっかいカレーでも作ったる。
end.