ちゃっかり輪の中に組み込まれて、すっかり一緒に行動するムードになってもた。
しかも両腕に巻き付いてる女の子ズ。まさに両手に花状態や。浴衣でも男前健在か。自分で男前ゆうてもたら世話ないわ。
…ていうか、みんなウチが裸足でしかも髪の毛めっちゃ乱れてるのは普通にスルーですか。
いや、たしかに普段から髪の毛セットしたことないし冬場でもサンダルやけど…!!
あー…もー……
なんか。なんかさぁ。
アカンのかも。行くなってことなんかも。ぺったらぺったら歩きながら、ああもうこういう運命なんかもしれん、とか残念な気持ちが沸き上がってった。
結局、絶対にうまく行かへん関係やねん。いや、うまく行くとか行かんとか。そもそもかっちゃんにとってウチってなに?
だって捜して、走って、向こうも捜してて、お互いすぐ見つけて抱き合うなんて。
かっちゃんとウチが、そんなドラマみたいな展開になることなんか…一生どころか、二生かかってもありえへん。
運命なんか信じてへんけど、でもウチらはきっと──
「あっ!優子!!」
くん、と浴衣の袖をひっぱられる。指差された方角を見てみると。
「ん?なに?」
「あったあったフランクフルトの店!!ほら、優子見える?」
「あ、ほんまや…ほな、ウチ買って─────」
──きっと、そういう運命なんやって。



