─それが当たり前やと思っててん。

まとまりのない、自分に言い聞かせるように雪崩れる言葉は。



「…もうな、好きとかちゃうんや」



好きとか、そんなんやなくて、


好きとか、好きじゃないとか、どちらでもなくて、






「多分なぁ……、愛してんねん」






雪崩れる言葉は、俺の存在なんてあっけなく打ち砕く。


勝手極まりない、思いやりも理屈もなんもない、ただ欲しい、それだけで愛って言えてまう。



…なあ、ずるいわ。



「…ははっ、愛しとるやて。アホちゃうかおれ」

「………」

「アホ……ほんま、」


アホやって、そう言って顔に手のひらをくしゃっと当てる。

そこに覗いた顔が今までも見てきたみたいな余裕の顔やったら…怒鳴ったり、罵ることもできたのに。


「も…どうしたらええんかわからんわ…」