ひとつ息をついて、空を見上げる。 これからでっかい花火を打ち鳴らされる、黒いキャンバス。 …これでよかった。 はじめっから好き同士やったやん。イトコやからとか、幼い頃から一緒やったとか、そんな要素が加わっていびつになってもただけで。 やからな。準備はできててん。 あの夜から、きっとこんな日が来るってわかっとった。 …まさるくんと偶然会った、あの夜から。 『話、あるねんけど』