昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜


「かざ…ま、……んっ、苦し…」

「─好き、や……まさこ、めっちゃ…、」

「──────」



なぁ、ウチも好きやで?


けどそんなつよーに抱きしめられたら、苦しくて言えへんやんか。

口、風間の肩につぶされとるねん、なぁ、風間。


なぁ、そんな逃げ出した大型犬つかまえるみたいな。別に逃げへんのに。



…ウチ、今、風間の腕ん中におるのに。



「…っは、まさ、こ……いっこ、聞いてええ…?」

「……っ、うん…?」



風間のかすれた声が、耳元でにじむ。

ぼやけた意識の中。なんでやろう、めっちゃ切なくなる。

にじんでにじんで、体の奥のやわらかい部分にしみる。








「──まさるくんのこと、もう好きやない?」










風間の声のはしっこが、震えてたような気がした。


…どうやって吸って、はくんか。


ウチの呼吸は意識せんでも一回止まって、たよりない息が口から漏れるのを感じた。


熱が、一気に引いていく。


まさるくん。






──"かっちゃんのこと、もう好きやない?"