「はっ…優子、こっち、向いて」
「かざ、ま、」
「優子……っ」
「っ……、かざま、かざ」
キスが降る。
キスじゃなくて、キス以上の。
ぶつかり合って、酸素を奪い合って。
ほんま、あかん、ちょ、息って。
…息って、どうやって吸うんやったっけ。
「ぁ、ぁっ、あ…っ……っ、」
口から勝手に飛び出てまう同じ音。
アホみたいに何度も何度も。けど止まらん。どうしたらええの。全部飛び出て、からっぽんなりそうや。
手のひらと、手のひらが重なる。海のど真ん中で溺れかけて、必死につかまるみたいに、無我夢中に。
ぜんぶ。
…すべてをさらけだして、ぜんぶをうけいれるって、たぶんこういうこと。
白い意識ん中で見上げれば、ちょっと余裕のない風間の顔。
ウチのこと溶かすみたいに、愛しそうに、大事そうに、切なそうにゆがんで。
グッて重みが増して、風間がまるごとウチに崩れこむ。
ばらまかれたモノをかき集めるみたいに、乱雑にウチの体を抱きしめる力。ぎゅうって。必死で。
…少しもこぼれんように、するみたいに。



