昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜


風間の背中をドンドン拳で叩く。叩くけど、力なんかうまく入らへん。


余裕のない頭ん中で、矛盾した会話。


たすけて。やめて。あかん。あかんくない、


…やめんといて。



熱い温度と一緒に、押さえようとしても口から声が飛び出る。止まらへん。

普段の自分じゃ考えられへん、鼻にかかった声。

恥ずかしくて、泣きそうになっとる自分に、また恥ずかしくなって。


「っや…いや、ぁ、やめ、いややぁ…」

「…っ、優子、めっちゃかわいい」

「〜かわい、ない…!!……っ、」


中身を持ってかれそうな感覚。初めての感覚に、今自分がどこにおるかすら忘れそうになる。

ほんま熱くて、どっかぶっとんでまいそうで、自分じゃなくなりそうで、不安で、怖くて。


…けどウチに触れた風間の手の方が、もっと熱くて。


「はっ、はーっ、はーっ、」


息が上がる。乱れる。


触れるたび。触れられるたび。


神経に電気が走る。

つながる前に、火花になって飛び散る。

弓なりになる脊柱。

目の前の体に必死につかまる。

重なる。


皮膚、匂い、温度、



…体全部で、息しとる。