昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜


押し上げる。抵抗はする。

でもそんなん、カタチだけや。本気でこばみたいわけやない、ただ恥ずかしいだけ。

何回しても慣れへん、この角度も、体勢も、温度も。


旅行先やから、人前で手を繋いでもええかって思った。

けど旅行先やからこそ、今は余計に全身が火照る。


宙に浮かんだまんまの両足がこころもとなくて、自分の格好が恥ずかしすぎて顔を背ける。


「……っぁ!?」


びくっと体が痙攣する。

思いもせんかったところに思いもせん感触。


おと、が。


…耳、食べられてる。


「ん…いやっ、なにっ、え……っ!?」

「…耳、気持ちええ?」

「……っ!?しゃべらんとって…ちょ、あ、かざ、」


体がまた跳ねる。

音が全部遮断されて、聞こえるんは風間がたてる水音だけ。

びっくりして、真っ白んなった。自分の体の仕組みがわからへん。
だって耳くわえられてこんな熱上がるなんか思いもせんくて。


舌の動きが音を奪って、代わりにまた熱を運ぶ。


「……っぅあ、」


必死に我慢して結んでた唇から、声が漏れて。


なに。なに、やばい、あかん、おかしくなりそう。頭どっかふっとびそう。


なんなんこれ。