昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜


バスローブの裾ピラピラしよったら、脱衣所のドアからいきなり。

風間の顔がのぞいて、思わず飛び上がってもた。


「…なんでそんなビックリすんねん。上がったんやったら俺も次風呂入ってええ〜?」

「よ…よかろう」

「誰やねん」


風間が入ってって、そんな広くない脱衣所がさらに狭くなる。

しかも湯気でむわっとしとるから、酸素が足りん部屋におるみたいになって。


ポロシャツに手をかける風間。

その下からにょきって出てきた肩甲骨が、すぐ鼻先でとがってる。


振り返った風間は不思議そうにウチを見つめたあと、ちょっと笑って言った。


「え?なに優子、そんな俺が着替えるとこ見たい?」

「〜〜なっ」


ホンマやウチなにボケーっと突っ立ってんの…!!パジャマとスウェットが似合う痴女にはなりたないで!!

あわあわとドアを押してすぐに出ようとしたら、くしゃって。


「…ウソやん。髪はよ乾かしよ」


くしゃってウチの髪を撫でて、風間はまた笑った。



顔の正面には、しまったばっかりのドア。


ぽた、って、短い髪からしずくが落ちる。



…あー…………。



どうしよう。

どうしよう、っていやどうしようとかじゃないけど!


な…なんか緊張してった…。