…短いキスやった。
ウチのよりちょっと薄めの風間の唇が、温度だけ置いてウチから離れてく。
潮風に触れる唇。やけど、さっきとは違って。なんや自分の口やないみたいに、唇だけふわふわしとって。
「…行こか」
繋がれた手と手が、また動き出す。
ウチはなんも言えずに、自分の手を追いかけた。
…なんかなぁ。なんて言うたらええんかなぁ。
月9とかええもんやないけど、でもドラマみたいやなーって思った。こんなんが主人公やったらだれも見たないやろけど。
ウチは風間とおるとき、こそばゆくて、焦って、恥ずかしーて。
「優子」
「……うん」
でもたしかに、そういや自分女の子やってんなぁって、気づけるねん。



