昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜


赤かな。黄色?海の向こうに、ぽつん、て一個光るモンを見つけて。

…あれ、船かな。この時間にまだ船の運行しとるんやなぁ。


風間に、そう言おうとして。


「なあ、風間───」

「あー……優子、今はちょっと、ナシ。こっち向かんとって」

「へ」


思いもよらん反応に目を丸くした。

風間の首が、ぐるって半周して顔が見えへん。


「風間、なに…」

「…今、なぁ。多分変な顔しとるから、おれ」

「………」

「なんか今さらやけど…こうやって歩いとるとな。優子と二人で旅行来たんやなぁ〜って思って」


ウチの手を握る風間の力が、強くなる。


「う…うん…?そうやで?だって二人で来たもん」

「〜そうやなくて!!」


振り向いた風間の顔は、ちょっと赤かった。

夕日のせいかいなって一瞬思ったけど、もうとっくに沈んどるし。


「かざま……」

「……優子とおれるからなぁ、いっつもよりはしゃいでまうねんて」

「…………」

「はしゃいでまうし、自分でもテンション高いなーって思うし。…アホやな、おれ」