昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜


…けど、約束は約束や。女に二言はない。

しぶしぶワンピースに着替えて、一瞬でまた着替え直したんねん!…って思って、トイレから出たら。


「〜!?」


…外で待ってた風間にふいをつかれて、腕をがっちりホールドされて。


「ぎゃーひとさらいーっ!!」

「そんな悪モンやないって」

「神隠しにあうーっ!!」

「そんなすごいモンやないって」


…騒いだのもむなしく、すぐ隣のロープウェーの待合室まで連れていかれた。

サル以上の注目を浴びるっていうな。ウチがワンピースとかコスプレ以前に訴えられるで…!!



待合室にはまだ他に人おらんくて、それだけが幸いやった。

ビミョーに間をあけて座るウチらの前を、サルが不思議そうに通りすぎていく。


「……風間」

「ん?」

「そんなこっち見んとってか…」


めちゃめちゃ満足そうにとろーってした顔で笑てる、風間。

めっちゃ居心地悪い。なに?なにがそんなに嬉しいん。

ウチみたいな女かどうか怪しい女が膝小僧出してるのがそんなに楽しいか。そりゃおもろいよな。涙出るわ。

…っていうか今日1日このままやないよな?


「いや、だって嬉しいやん」

「…なにがや」

「…好きな子が自分の選んだ服着てくれとるの。」

「───っ」