昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜

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レンタカー走らせて、最初に到着したんはサル山やった。

旅行のプランは風間がいろいろ提案してくれて。予約から手配まで、ウチは申し訳ないくらい関与してへん。丸投げや。

優子は忙しいやろからって、な。…ほんま、よーできた男やで。どーやって育てたらこないなんの。風間のお母さん。


サル山に行くなんてはじめてで、全然想像つかんかってんけど。

切符買って、ちっこいロープウェーに乗って。

そんで山の上にだんだん登っていきよったら、めっちゃワクワクしてきてしもた。



「うわー……!!」



頂上についたら、どっこもかしこもサルだらけ。

予想しとったより断然多い。

サル、サル、サル。おっきいのの上に、ちっこいのがおんぶされて目の前を通りすぎる。

眠気なんか、一気に吹き飛んだ。


「すごっ!めっちゃ目の前におるやん!!」

「優子、写真撮ったるで」


すぐ近くにウチと風間をきょとーんとした顔で見上げる、ちっこい小猿。

赤い顔に、くりってした真ん丸い目玉が動く。めっちゃかわいい。やばいやばい、母性本能くすぐられる。そんなん自分にあるんかしらんけども。