昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜



あん時と、今と。


…かっちゃんとウチは変わったと思う。

多分お互いに。


きっと根本的なものは変わってなくて、でもちょっとしたことが重なって。


だってなんかな。一緒におる空気が、全然ちゃうねんか。


土足でドッカドカ踏み込んでた相手ん中。


お互いに、たぶん月日を重ねるごとに。

踏み込まんように意識してる部分が、増えていってるんやと思う。



…そんで、いつか。



もう空っぽになったはずの缶を、唇に当てた。





…いつか、ぜんぶ「ああそんなことあったなぁ」っていう、思い出になるんやろうか。







時計を見たら、あと3時間ないうちにバイトも終了や。


もっかい最後の作業に取りかかりながら、気合いを入れ直す。


もう旅行の準備はできとるし、帰ったらはよ寝よ。


ラーメン楽しみやなぁ。

…てあかんあかん、こんな食べ物のこと妄想したら深夜にお腹すいてまうやん。


あ、ワンピース。一応バックの中にはつめたけど。いっちばん奥の底の方にな。

あれ着なアカンのやろか…風間忘れてないかな…。忘れとるとええなぁ……。


あかんあかん、て。でもまたラーメンが頭ん中浮かんできて。



…そんときやった。