昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜

ゴン!

そのままかっちゃんがウチに被さってきたから、ウチはこれでもか!!…ゆうくらいに頭を強打した。

目の前に火花が散る。

結婚式の鐘の音みたいに、ゴーン、ゴーン、てこだまする。


「…いっ…たぁ〜…ホンマお前何すん───」



ウチの言葉は、


かっちゃんの唇で、塞がれた。



…そん時の気持ち?

頭、真っ白や。白っ白や。果てしない白や。


何が起こってんの。訳わからんまま、瓦叩き割るくらいの力込めて、かっちゃんの背中をおもいっきし叩く。

唇が離れた。

やっと、息できた。


「──っ!?…はっ、なななに考えとるねん!!かっちゃ──」
「ゆう………」


はい?


……ん?


マジですか?


待って待って。ちょっと待って。おかしいおかしい何この展開。

ドッキリ?新手の嫌がらせ?


ちょ、いったん落ち着こうや、ウチの頭。



何が起きたかよお分かってない相変わらず痛い頭で必死に状況理解に励む。

分かるはずないやろ。

なんでウチ、かっちゃんに乗っかられてんの。


パニック状態んなってるウチの首筋に、生暖かいかっちゃんの唇が吸い付いた。


「!!??…ちょっ、かっちゃん、なに──」

「ん…なんか、なぁ…」

「………」


「ユウが可愛いーに見えてった…」




















「〜目ぇ覚ませこのアホっっ!!」

「起きとるがな」

「ふざけんなぁっ!!はなせボケっ!!カス!!ミジンコっ!!」

「ミジンコて何やねん」


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