「いやー…でも優子ねえさんが今日でおらんくなると思うとさびしいですわ」
社員さんが、ほんまにちょっと寂しそうに笑って言う。
…バイトも、今日で終わり。
結構重労働やし、フツーやったらはよ辞めたいわぁって思うんかもしれへんけど。
でも思ったよりずっと人間関係エエ職場やったから、正直ウチもけっこーさみしい。
その気持ちを正直に言うたら、
「なら、二年後の正社員枠あけとくな!!」
「いやいやいやウインクしながらそんなこと言われても…」
…何回も言うけど、一応女の子なんで。
「おれ、優子ねえさんの魂継いで、これからも頑張って働くからな……!!」
そ…そんな段ボール運送に魂こめたつもりはなかってんけどな。
…うん、まぁええか。
飲み終わったカフェオレの缶もて余して、手のひらの中でくるくる回す。
一息ついて周りを見渡してたら、ふと目に入った。
…またサボってるしかっちゃん…!!
かっちゃん図体デカイから目立つねんて。
他だれも気づいてないんが不思議やっていう。
缶頭に投げたろか〜て思たら、かっちゃんがムクッと立ち上がった。
…あ、サボりタイム終了か。



