昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜



…けど、後ろから聞こえた奇声にソッコーで目が覚めた。


振り返ったら、青い顔して口パクパクさせて、ウチらを指差す…友人の姿が。



「な…な…な…な…な、」

「……え」


「〜なんなん風間くんの彼女てやっぱ優子やないのっ!!」



その大声に、講義室中の学生がこっちに大注目。


あ……。


そういえば、


『風間くん彼女できたらしーで!!』


…て言われたとき、自分やって言えんかったんやった。




「…………」



…えーと。


そんときなんて言われたんやっけ?


そうやそうや、たしか…



『でもうちの学部、水面下で風間君ファンいっぱいおったからなぁ〜』


『めっちゃショックがっとる子もおってなぁ、結構騒ぎになっとったよ』



「…………」



うん、よし。



……すみやかに逃げよう!!立ち去ろう!!



でもその考えは読まれとったんか、ガシィッ!!ておもいっきし二の腕ホールドされる。


そして、どうかんがえても不自然やろっていうくらいニッコーてした笑顔を浮かべる友人。


「風間くーん。優子となんの話しとったーん?」