バイト終わって、次の日の早朝から九州に向かう。
きっと昼前には着くから、昼ごはんは博多ラーメンや。
トンコツスープが麺に絡んでな。あーやばい…お腹すいてった…。
風間と付き合って、彼氏彼女になって初めての旅行。
「行きし、電車で寝とってええからな。ついたら起こすよ」
風間はやわらかい。
手のひらの感触も、ウチを見る瞳の色も。
風間とおるんは、なんでこんな心地ええんやろ。
…風間とおるんは、なんて楽に息ができるんやろ。
気持ちよくて、また寝てまいそうや。
…風間には、バイトがかっちゃんと一緒やったことは言うてへん。
別になんもないけど、いらん心配かけたないし。
多分言うても、風間は「あ、そーなんやー」って軽く返してくると思う。でも。
風間は思ったことすぐ顔に出したりせぇへんから。
人のことばっか考えて、自分の中に残してまうから。
頭の上にのっかる程よい感触に、もっかい目をつむる。
眠気がまた戻ってきて、頭ん中がフワフワしてって、
「──ひぃぃぃいっっ!!??」



