昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜

**



「優子ちゃーん!!そっちの荷物こっちに引き上げてくれるかぁ〜?」

「はい!わかりました!!」


三日もすれば、バイトの仕事にはすっかり慣れた。


力仕事が多いけど、体動かせるから部活っぽくて気持ちええ。


バイトメンバーもゴツくて怖そうなにーちゃんばっかやけど、みんな話してみればめっちゃ気さくでええ人ばっかやって。


みんな絶対年上やろ、て思うねんけど…なぜかウチを"優子ねえさん"って呼んでくるのはなにゆえですか。


しかもウチはなぜか工場長に気に入られて、

「卒業したらうちにこおへんか」

…とか熱心に誘われる始末。



…あー、うん。

日本の景気がさらに悪化して就職難でどーしよーもこーしよーもなくなったらうかがわせていただきますわ。



でもまぁさすがに、フツーに大学の授業受けてから夜勤の日はちょっとキツいな。

夕方一応寝てから来るけど、やっぱそうぐっすりは寝れへんし。


眠気を振り飛ばすように段ボールをものすごい勢いで運んどったら。



「……………」



段ボールの山の影、その向こうに、だらしなく放り出された足が一本見えた。