昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜

しかも高校までバリバリ運動部でした!…的な、ガタイのええ兄ちゃんが多い。


なんか居心地悪いなーって、そわそわしながらもその中に混じってたら、作業服着たおっちゃんが出てきてさっそく説明を始めた。

人のよさそうな、小柄なおっちゃん。


「えー、本日はお集まりいただきありがとうございます。これからさっそく、みなさまにしていただく作業の説明に移りたいと────」




…説明に、移りたいと。



そこでおっちゃんの話が中断されたのは、



「すんません、おくれました」



…バイトの人でひとり、遅れてきた人がおったからで。


そんで振り向いたウチが固まったのは、



「──────」



…その、初日に遅れてきたやる気ない男に、見覚えがありすぎるくらい、あったからや。




もっかい言おう。



かっちゃんのおとーさん、つまりおっちゃんとうちのおとーさんは同じ工場を経営してる。



…やから、つまり。




「かっ……、」




いとこ同士。



…かっちゃんとウチの金銭的ピンチは、重なるわけです。



「…え。……なんでゆうがおるん」

「…こっちのセリフや」

「………」

「………」

「…………」

「…………」





「あの……説明、進めても大丈夫かな?」