「……は?なにしてんの」
「ひろ……と…、」
男の目に、マジギレの色が浮かんだのは一瞬。
……うわ、まじですか。
ガシャーン───!!
うーわ、やべ。
そう思う間もなく、おもいっきし殴られてた。
床に叩きつけられて、脳みそが揺れたせいで酔いの気持ち悪さがぶり返す。
うわ、吐きそう。
「痛って…、」
「〜ふざけんなよテメェ!!」
そんで男は、その勢いのままハルカにつかみかかった。
無理やり乗り上げて、手を振り上げる。
─いや、ちょ、それはさすがにマズイやろ…!!
「待て、や……っ、」
気持ち悪いの必死にたえて、立ち上がった。
男の、ヒト一人くらい殺しそうな目がこっち向く。
「…その子悪ないよ。酔っとってな、抵抗できんかってん。俺が無理やりした」
「ああ!?」
「殴るんやったら俺にしといたってか」
…こんな修羅場でくわしたん、人生初やわ。
男がこっち向かってくるん見ながら、あー死にませんように。
あと酒はほどほどにしよーって、思った。



