昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜


ハルカと目が合って、焦点が合う。

ハルカは握ったままの俺の腕をぎゅっとして、


「…もう帰るん?」


鼻にかかった声を出す。


「帰るわ。布団とられるから寒いねんもん」

「ふふ、ウソぉ。ごめんごめん、入れたるから戻っておいで」


ハルカが布団を広げて楽しそうに笑ってみせる。


そのままグっと引っ張りこまれて、またベッドの上に逆戻り。




──ブー、ブー、ブー、



そん時また、テーブルの携帯が震え出した。


ハルカが一瞬、眉をひそめる。



「取ろか?さっきからずっと鳴っとったで」

「…ええねん。無視無視、どうせアイツからやし」


そう言ってすぐ、ハルカは俺の首に手を回した。


鼻先が近くなる。


呼吸の音と、心臓の音。



「…なぁ、もう一回、する?」



唇がふれ合う、


……そのほんの少し前の、その瞬間。




──ガチャ。




鍵がはずされる音がして、乱暴にドアが開いた。


そこから入ってきたのは一人の男。

目が合って、てゆーか俺はハルカにがっしりホールドされた状態で、男がめっちゃビックリした顔しとって。