昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜

**



「ん……」



…目ぇ覚めたら、広がるんは見慣れへん天井やった。


全部が違う。


体を包み込むベッドの感触も、空気の湿り具合も。


隣を見てみたら、見慣れん顔の女がスースー寝息たてとった。



…あれ?……えーと。



ぼんやりした頭の中で、ゆっくり記憶が戻ってくる。



…ああ、昨日そう言えば合コン呼ばれてたんやっけ。


一次会のあとさくらに偶然あって。

なんかさくらに言われたセリフが、ずっと頭ん中ぐるぐるしとって。

それもあって二次会でけっこー酒飲んで…。


そんで誰かに


「二人で抜けへん?」

とか

「ウチこっから近いねんけど。」


…とか言われてめっちゃくっつかれた記憶がある。



ああ、そうか。

たしか"ハルカ"、とか言う……。




「……っくしょい!!」



寒。

俺布団かぶってないし。



どうやら俺はお持ち帰りされとったらしい。


…記憶なくてこういうの、さすがにビビるな。


覚えてな…いや、ちょっとは覚えてるような。

なんか上に乗っかられて、ほぼ襲われた気がするんやけど。