昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜

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「カンパーイっ!!」



かつーん、てグラスがぶつかり合う音。

色とりどりの中身がぐらぐら揺れる。


「ハイハイハイ、まず自己紹介な〜!!一番っ、色男王沢くんからっ!!」

「ぶっ」


背中おもっくそたたかれて、ビールが逆流しそうんなる。

…オイ、テンション上がりすぎやろ。



昨日、久しぶりに合コンなんかに誘われた。

ほんま久しぶり。さくらと付き合っとるときは行ってなかったし。


別に断る理由なんかなかった。


合コンは楽しいから好きや。

なんも考えんでええし。女の子好きやし。騒ぐん、好きやし。



「あー、んじゃ一番。王沢──」

「まさるくん、やろ?」



自分で言う前に、先に隣から横取りされる。


隣を見ると、長い髪の女にニコッと笑いかけられた。



「大学で有名やもん。かっこええ、女の子とっかえひっかえ〜って」


下からのぞきこむように言われて、眉を寄せそうになった。


なんやつっかかる言い方すんなぁ…。


「おお、あんがと。けど言うほどでもないで。」


にっこり笑ってそう返したら、女は満足したような顔をしてカクテルを口に運んだ。