昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜

ガヤガヤと。賑やかな笑い声。

いっつも食堂行っとったから気づかんかったけど、ここで昼飯食べる学生も多いんやな。


よどんだ空気。

知っとる顔は、見当たらへん。


なんか居心地悪くてすぐに出ようとしたら、後ろにグイッと腕を引かれた。

転びそうになった背中が、ぼすんと何かにぶつかって沈む。

な…なに……


「ゆう」

「……っ、」


耳に届いた声に、思わず息が止まる。


う、わ。

うわぁ。うっわぁ。なんで。


振り返られへん。


抜け出そうと腕を引っこ抜こうとするけど、逆に力が強なった。


「いや、なんで逃げんねん」

「…逃げてへんよ」

「ならこっち向けや」

「だ…大学来てまで見飽きた顔見たないわ残念やけど」


チッて。

…え?なに、もしかして今舌打ちされた?


片腕だけクロールの出来損ないみたいに上がって、多分今めちゃくちゃ変なポーズになっとる。

学部が違うから、棟が離れとるから大学ではめったに会うことなかった。

やのになんで、今。


さくらちゃんから話聞かされたばっかの今。


かっちゃんがこんなとこおるなんか誰も告知してくれてないやん!!不親切極まりない!!

見てみぃ、サザエさんやって「来週のサザエさんは〜?」っていう告知がちゃんと────