昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜

ウチが真ん丸くしとる間に、さくらちゃんはぱたぱたぱたっと小走りでこっちに走ってくる。

尖端が丸味を帯びた靴が白く細い足を運び、ほとんど飛びつくに近い状態でさくらちゃんがウチに抱きついた。


「まーちゃんっ!!会いたかった~めっちゃ久しぶりやねっ!!」


もうそれはそれは可愛い、としか形容しようのない顔が目の前で綻ぶ。

え、何、妖精?妖精ですか?やばい…背景にお花畑が見えてったわ…。


友人はマジマジとさくらちゃんを見て、首をかしげて一言。


「…ええと。優子のカノジョ?」

「は!?」

「優子アンタほんとモテるね~…。じゃ、お邪魔みたいなので消えるわ」

「へ…!?ちょ…っ!!」


にっこり微笑んでウチの肩を叩くと颯爽と消えていく友人。

カノジョ、て。

付き合うことになったことを言えんどころか、あらぬ確信を持たれてしまったようなんですけど。しかもアッサリと。…なんでやねん。


「まーちゃん?」


呆然と友人が消えていった方を見つめていると、くん、とシャツの袖が引かれた。

…なんでこんな可愛い生き物がおるねんやろ。同じ女やとはとても思えへん。女は女でもアレか、さくらちゃんは女の子で、ウチは女?みたくハテナマークがつく方やんな、わかっとる。


「さくらちゃん、元気やった?」


ウチが当たり障りない一言を言っただけやのに、さくらちゃんの顔がぱぁって明るくなった。


「うん!!良かった~…。まーちゃん話してくれて…」

「え?」