昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜

友達はいまだに不思議がっとるけど、こんな気恥かしいこと自分の口から言えるわけなかった。

第一、散々「付き合ってないって!!」とか言い張ってきたのに今さら、とか。


「あ、そっかぁ。遠慮したんや?」

「え?」


いきなり合点がいったとでもいうように納得した表情。なんのこと?と尋ねれば、


「風間くん、彼女できたらしいで。」


ビックニュースやんなぁ!と、満面の笑みで言われて顔が引きつった。


「彼女おる男と二人で昼ごはんとかなぁ、確かに気ぃひけるよな」

「え…あ…」


…なんで知ってんの。いや、でもまさかそのカノジョ、とやらが自分の隣におる男女とは夢にも思ってないよな。

言うべき?言うべきやんな?だってずっと隠すとか感じ悪いし、それに…


「でもうちの学部、水面下で風間君ファンいっぱいおったからなぁ~」

「へ」

「めっちゃショックがっとる子もおってなぁ、結構騒ぎになっとったよ」

「へ……へぇ……」


…言えません。

うわ、ごめん、こんな腰さすっとる色気もなんもない男女でホンマごめん。


「てゆーか。優子?」

「はい…ホンマすんません…」

「?なんで謝っとんの。さっきからものごっつ手ぇ振られとるよ。めっちゃ可愛い子から」

「え?」


友人が指さす先を見てみれば。


「まーちゃ~んっ!!」


そこにはフワフワの髪をなびかせて満面の笑みを浮かべる、さくらちゃんがいた。