昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜



次の日の朝、起きたんはもう昼前の時刻。


結局朝方まで寝付けへんかったから、それでもまだ眠かった。

ウチを起こしたんは目覚ましやなくて、味噌汁のしょっぱい香り。

台所にはばーちゃんお手製の昼ごはんが並んでて。

焼き魚に炊き込みご飯、味噌汁に茶碗蒸しまである。

ウチがボサボサの寝起き髪で台所のぞきこんだら、かっちゃんがこっそりだし巻き玉子つまみ食いしとるとこやった。


予想にもせずウチと目が合って、ゲホゲホむせこむかっちゃん。

アホや。…てゆうか起きとったんやったらウチも起こせやアホ。


ばーちゃんの味噌汁は相変わらずめっちゃおいしかって。

めちゃめちゃホッとするねん。味噌汁の半分は優しさでできています、いやいっそもう優汁に改名できそうなくらいやねん。あ、読み方はやさじるやで。

そんで誉めたらばーちゃんが調子づいてはりきってもて、夕飯までご馳走んなることになって。



…結局車で送ってもろてアパート付近に着いた頃には、もう夜の10時過ぎとった。


いっこ角曲がったらもうウチらのアパート。

かっちゃんの手とウチの手には、ばーちゃんに押し付けられたひじきの煮物と切り干し大根のタッパー。


「……これ地味に重いよな」

「…な」


車降りて二人になってから、沈黙が増えて急に静かになる。車ん中はお母さんがマシンガントークしとったから賑やかやったけど。


…とりあえず、はよ部屋入りたいって思た。


部屋入ったら、その瞬間に倒れると思う。ベッドにダイブすると思う。


だってなんか…めっちゃ、疲れた。