いきなり飛び出た、かっちゃんの名前。
その瞬間玄関のドアからガタン!!て音がして、そっからけたたましい目覚ましみたいな連続音が始まった。
ピンポンピンポンピンポピンポピポピポピポピポピポピポ
「…………」
…まさか。
お母さんがのそのそ寝間着姿のまま歩いて行って、ドアのカギをはずす。
今か今かと待ち構えていたかのように、ドアから勢い良く飛び込んできたのは。
「ばあちゃ───、うわっ!?」
「………!!」
「…………え?」
「………」
「…は?……え?なんでゆうもおる……え?」
めっちゃ息切らして、それに合わせて上下する黒い頭。
必死で走ってきたらしい。短い髪が、おでこに張り付いとる。
「え…?……ていうかおばちゃん、なんで顔白いん…」
「イソフラボンらしいわ。………かっちゃん」
…アンカー走者、出揃いました。
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