そんな直球に言われたら、今度はウチがどうしたらええかわからんくなってまう。
だって異性から好かれるなんて経験、今まで皆無やったし。…同性から告白されたことならあるけど。しかも数回。
口実って言いながらも、風間の手にはちゃんとお土産物っぽい袋がぶら下がっとる。
わざわざ選んで、買ってきてくれたんやろな。
「あ……、えーと…」
「………」
「でもまぁ、せっかく来てくれたんやし。ウチ近いし。…コーヒーでも飲んでったら?」
インスタントやけど。そう言うたら、風間の表情がふわっと緩んだ。
いっつもの風間の雰囲気が戻ってきて、ウチも少しホッとする。
「…ええん?」
「ええよそんなん。今更やんか」
「コーヒー一杯で帰るから!!」
「うん」
「帰るからな!?」
「…そんな必死ならんでエエって」
笑いながら袋を振り回して歩いたら、風間が立ち上がって隣に並んだ。
フワッと。心地よい温度の風が、腕をかすめる。
今更やけど。風間がホンマに自分のことを好きになってくれとんやって、やっと自覚してきた。
知らんかった。
真っ直ぐに好きやって表されるん、なんか、めっちゃこそばゆいねんな。
休みの間なにしとったとか、何があったとか、風間と他愛ない話をしながら並んで歩く。
そんな中で、自分の気持ちに頭をめぐらした。
…じゃあウチのすきって、どんなんなんやろ。
ちゃんと真っ直ぐなんかな。
グッキグキに曲がりすぎて、一番始めのスタートの、肝心なトコが見えへんのちゃうかな。
…ウチは一体、これからどうしたらエエんかなぁ。
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