昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜


ウチが何か言い返す間もなく、頭押さえつけられてキスが続行。息できへん。

観覧車から見える景色が、グラグラ揺れる。

グラグラ、グラグラ。


なんかもう、脳みそ正常に働いてない。


「かっ……、ちょっ!?」

「…課長?」

「〜ちゃ、うわ!!どこ触って───っん、」


おかしいやろ。だっていつの間にやらかっちゃんの手は、潜り込んでTシャツん中。

必死に抵抗してみるけど、かっちゃんの膝っていう不安定な土台の上でバタバタしても効果半減や。

ゴンドラ揺れるし。しかもかっちゃんは、一向にやめへんし。

真っ赤になっとるやろうウチの顔とは真逆。


余裕の笑み浮かべる、間近にあるかっちゃんの顔。


「すげーな。俺車でもヤったことないわ」

「は…なせやボケっ!!」

「あー痛い痛い痛いハゲるって」

「〜ハゲろ!!全部!!んで出家したらええ、…っ!?」


ガブッて。


首軽く噛まれて、ゾクッとした。

痛い。久しぶり、この感覚。かっちゃんの合図。


首から耳に這い上がってくる舌が、聴覚を犯す。


神経はどう繋がっとるんやろか。

背筋が全部、痺れたみたいになって。


「─うぁっ、し、ねっ、アホ…っ!!」

「お前からしたんやんけ…てか、もうちょい色気ある声出せや」



そう言ってかっちゃんは。



「────っ!?」



ウチのTシャツの中に、潜り込んだ。



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