想うのはあなたひとり―彼岸花―



きっと、椿だろう。
椿で…あって欲しい。



足が向かうのは、下駄箱ではなかった。
学校で一番好きな場所。



それは…解放感のある…屋上だ。




「…何やってるの?こんなとこで」




でも私より先に誰かが存在していた。
風に靡く黄金色の髪の毛はあなたの特徴なのだろうか。



あなたは、皐。



そして足元には桜の花びらかと思ってしまうくらい紙くずが散らばっていた。
近づいてよくそれを見てみる。
読み取れはしないが、何か書いてあるようだ。


それを見た瞬間、あることを思い出す。



女の子たちが話していた内容。皐にメールを送ったらエラーとして返ってきたということ。


散らばる紙くずは、女の子が皐に宛てた…手紙?




「…あんたって言ってることとやってること…違うよね。自分で気づいてるの?」




「だって、もしかしたら明日死ぬかもしれないだろ?悲しませたくないんだよ、誰も…」





散らばった紙くずは、春風に吹かれながら、空高く、天国に向かうかのように消えていった。