「…そうなんだ。私…いつもあんな感じだと思ってた。悩みがなさそうだし…辛いことなんてないんだと思ってた」
「人にはさ、言いたいことと言いたくないことってあるじゃん。俺は無理して言って欲しくないから。相手が言いたいって思ったときに言ってくれれば俺は支えたいって思う。」
弘樹の真っ直ぐな気持ちに胸が締め付けられるほど痛くなった。
なんて大人な考えなのだろうと、子供すぎる自分が恥ずかしい。
もし誰かに私の秘密を言ったのならば、何人が私を支えくれるだろうか。
この世界に何人存在する?
そう瞳に映った桜の木を見つめる。
次の瞬間、尽き果てるように花びらがひらりと大空を飛んでいった。
…入学式中も弘樹が言った言葉が離れないでいた。
皐に何があったのだろう。
すごい気になる…。
笑顔の裏側には…
世界に裏切られた皐がいたんだ…。


