想うのはあなたひとり―彼岸花―



あなたが現れたのはあまりにも突然すぎて。
椿を失った台風のように豪快だった。


私の心は引き続き豪雨。
でも皐はそんな私に傘をさしてくれたの。
たった一人、立ち止まって…。



「入学式の準備しとくように」



こう先生が生徒たちに言った。私はそんな言葉が頭に入る余裕などない。
皐の言葉を理解しなければいかなかいからだ。


皐はいきなり何を言い出すかと思えばワケの分からない話。
眉間に皺を寄せて、皐を睨み付ける。



「意味が分かるように話しなさいよ。あんた一体何を考えてるの?」




「意外と気は強いんだね。弱そうに見えて。いいと思うよ、そのギャップ」



また笑いながら皐は言った。

皐とは話にならない。
一方通行な気がする。
もう話すのはやめよ、疲れるだけだわ。




私は話すのを諦めて、グラウンドへと視線をずらした。
春の陽気に照らされたグラウンドはどこか気持ち良さそう。



ねぇ、私もまぜてよ。