スローモーションで繰り広げられる世界。
休日の電車。
がらんとした一両車は私にさらに孤独を与えた。
人々が私たちを振り返って何度も見る。
それもそのはずだ。
涙でぐちゃぐちゃになった醜い私の顔がそこにはあったのだから。
脱力感に襲われる。
皐はずっと私の手を握ってくれていた。
深くは聞かずにただ「大丈夫だから」と何度も。
走馬灯のように駆け巡る。
椿との思い出。
椿の笑顔が、椿の言葉が、椿の勇気が。
私の体を駆け巡る。
血液が流れるような感覚で。
だからこんなにも自然に涙が零れるのだ。
梅雨入り宣告をした世界は、嘘のように晴れていた。
椿、今日は天気がいいね。
あなたと離れたあの台風の日とは違うね。
自惚れていたの。
ずっと一緒にいられるって。
どこで道を間違えたのかな。
私、どこで踏み間違えた?
もっともっと、あなたに愛されたかった。


