想うのはあなたひとり―彼岸花―



ほら、リュウが変なこと言ったから顔が熱いよ。


でも何でだろう。
どうして頭の中に浮かんでくるのは…椿の笑顔ではなく…皐の笑顔なのかな。



「じゃあさ、妃菜子ちゃん。約束してよ?」




「え…なに」




体が熱いままの私に約束ですか?
やっぱりオレンジジュースMサイズにしとくべきだった。
まだ夏じゃないのにどうしてこんなにも暑いのだろう。
リュウのせいなんだから。




「…ん?なに?」




「僕も素直に行動するか妃菜子ちゃんもしてよ。妃菜子ちゃんがしてくれるなら勇気が出る気がするんだ。」





「それ…は…」




何よ、その交換条件。
私がするとでも思うの?
私の素直な気持ちなんて…一生答えなんかでないよ。




「あれだけ説教しといて自分は逃げるなんてしないよね?僕も頑張るから、頑張ってよ。妃菜子ちゃん?」





その瞳で見つめるのはやめてよ。
言葉に詰まってしまう。