想うのはあなたひとり―彼岸花―



思いきり残っていたオレンジジュースを飲んだ。
その味は氷が溶けて薄くなっていた。



「歯向かうなんて…できないよ。それに玲奈に気持ちを言ったってフラレるのは分かってる。玲奈は…」




「じゃあ何で好きになったのよ?両親が認めた人としか恋愛できないって分かってて好きになったんでしょ?」




雑音が耳に響く。
それが耳障りで仕方がない。
しょうがないか。
ここはファーストフードなのだから。
静かさを求めるのなら喫茶店に入るべきよね。




「玲奈は…すごく一途だから。そこに惚れたんだ。頑張ってる姿をずっと近くで見ていたいって…思った。」




「ずっと一緒にいたいのなら私は心の中に隠してある気持ちを伝えた方がいいと思う。私は言いたい人が近くにいないから…あなたが羨ましいかも」




ストローの入っていた細長い紙袋を指で操り、結んでみる。
結局それはゴミになるのだけれど、何かをしていないと嫌だった。
自分の気持ちが暴走しそうで。