想うのはあなたひとり―彼岸花―




「だって皐くん…椿くんにそっくりだから。怖いくらい似てる。玲奈も皐くんに初めて会ったときびっくりしたもの。椿くんに似すぎてるってね。これも知らなかったの?」




受け入れたくない過去と未来。一気に襲いかかってきた神様の悪戯。
きっと神様は今腹を抱えて笑っているのでしょうね。


皐の表情が無くなっていく。
きっと何かを感じとったのだろう。

こうなると知っていたのなら、なぜもっと早く言わなかったのかな。
私が臆病だったから?
それとも皐が離れるのが嫌だったから?


私の小さな脳では考えられないよ。



「…嘘だろ?だって前に妃菜子…警察署には母親がいるって言ってたし…それに嘘はつかないって…言った…」




「それは違うよ?警察にお世話になっているのは恋人の椿くん。皐くんは花本さんに騙されていたのね」





騙される。
なんて響きの悪い言葉。


でもなにも口答えできない。
玲奈の言っていることは間違っていないのだから。