想うのはあなたひとり―彼岸花―



あれはどういう意味だったのか。



助けて、助けて。
真っ暗な道をひたすら走る。
背後には真っ暗な影。
それに捕まらないように必死に走る私。
走っても走っても出口が見つからない。



「…助けて!!助けて…椿…!!!」





こんなにも名前を呼んでいるのに…あなたはもう応えてはくれないのね…。





目を開けると、そこには見慣れた景色が広がっていた。
真っ暗な天井。
…どうやら眠ってしまったらしい。
電車の旅が疲れたのかな。
今日椿と会ったのに、何だか随分と前に会った気分だ。
時計を見たら針は11時過ぎをさしていた。
意外と寝ちゃったようだ。

目をこすり体を起こす。





こつん、こつん。

神様の悪戯がはじまった。



忍び寄る影に私は気づかなかった。