想うのはあなたひとり―彼岸花―



地元に着いたのは夜の8時に近い頃だった。
部屋の電気をつけた瞬間あることを思い出した。
…そうだ、皐との約束。
人参入り焼きそばを作ってくれるって言っていたっけ。



丁度今小腹が空いている。
約束の時間は夜中だったはず。その頃になったらお腹減ってるかな。
それまで冷蔵庫にあったヨーグルトでも食べて待つことにしようかな。



別にやましいことはしていない。
ただご飯を一緒に食べるだけ。皐は寂しいから私を誘っただけ。
一緒に食べたら電気代も減るし、ガス代も減るし…そっちの方がいいよね。
一人暮らしをしている私たちにしてみれば。



ソファーに横になり、天井を見つめる。
そしてため息をついて目を閉じた。




駆け巡る記憶。
保科さんの言葉。
運命の複雑さ。
椿のあの表情。




「もうすぐ神様が悪戯をするよ」





青い瞳…
怪しい笑顔。



葉月リュウ。