想うのはあなたひとり―彼岸花―



綺麗とはほど遠い空の下を歩いていく少年少女たち。

楽しそうに会話をする生徒たちが少しだけ羨ましく見えた。

あなたたちは空が何色なのか気にならないの?
そんな汚い空の下をよく笑って歩けるわね。



影さえできない道をひたすら歩いた。
学校に着き、教室に向かう。

なんだか今日はいつもと違う感じがする。
なぜかな?

小絵が皐に告白をするからかな?



何でさっきからこのことばかり考えてしまうの?
昨日からずっと。
他人のことなのだから遠くから見守っていればいいのに。
どうしてこんなにも感情的になってしまうのかな。




教室に着くといつもならいるはずの小絵が居なかった。
鞄もないし、来た形跡はない。
時計を見るとやはりいつもと同じ時間。



そんな時慌てながら教室に飛び込んできたのは弘樹だった。




「妃菜子ちゃん!今すぐ来て!!」