想うのはあなたひとり―彼岸花―



自分の気持ちを確認するのに少し時間がかかった。




「うん、好き。」




汚れた地面を見つめてこう言った。
生ぬるい風が私たちを包み込む。
この気持ち悪さは、私の感情ととても似ていた。




「ますます会いたくなってきた。妃菜子ちゃんが惚れた人ってどんな人だろう。まじで今度会わせてね」




「…うん。いつかね」




会えるのはいつになるかわからない。
それまで待っててくれる?
椿の更生期間が終わったら、必ず会わせるから。




「じゃあ、俺ちょっと寄るとこあるから。またね、妃菜子ちゃん」



駅に到着すると弘樹は書店を指差しながらこう言ってきた。
私は「またね」と言い手を振る。




弘樹と別れ、電車に揺られて家に向かう。
明日、皐はどんな返事をするのかな。