想うのはあなたひとり―彼岸花―




「だよな。本当イラつく。ちょっと妃菜子、来て」





「え!?」




皐は私の腕を掴み教室から出ていく。
ちょっと待って!もうすぐ授業始まるし…何で私なの?



皐の力が強かった。
何かを我慢しているようだった。
だから私は振りほどくことも、そんな勇気もなかった。


本当は…離したくなかった。





行き着いた場所は屋上だった。皐は空が好きなのかな。
眺めるのが好きなのかな。


私も好きだからいいんだけどね。




「ちょ…なに?」




「日向ぼっこしよ。」




「でも授業は?」



「サボればいいじゃん」




そんな簡単に言わないでよ。
もうすぐテストがあるんだから勉強しなきゃいけないじゃない。
何でそんな自分勝手なの。




「…ほんと自分勝手…」




「ずっと聞きたかったことあるんだよね。」




ようやく解放された腕。
まだ皐の力強さが残っている。軽く腕に触れ、アスファルトに座る皐を見つめた。





「…なに?」





「妃菜子の彼氏ってどんな人なの?」








私の大好きな人は…






あなたにそっくりな人。