きっと私だけじゃない。
皐から放たれる殺気を感じたのは。
小絵も弘樹も感じたはず。
だって口をぽかんと開けてただ見ているだけだから。
「で?用件は?ないならもう切っていい?前言わなかった?俺、信用してる奴にしか教えないって。」
あぁ、そっか。
自分のこと知られるの嫌だもんね。
まさかこんなに嫌がるとは思っていなかった。
「こ…怖いね、皐」
「ねぇ、小絵ちゃんは皐の携帯番号とか知ってるの?」
右耳は皐の声に集中。
左耳は小絵との会話に集中。
私って意外と器用な人間なのかも。
「知らないよ。知ってるのは弘樹くらいじゃない?今言ってたじゃん。信用してる奴にしか教えないって。あたしはまだ信用されてないってことかな」
悲しそうに笑う小絵を見たら胸が痛んだ。
頑張っている小絵を見たら余計応援したくなった。


